子どもも花粉症になる?
年々花粉症にかかるお子さまが増えています。特に近年10歳代の方の増加が顕著であり、大人の発症率と変わりません。
原因として、近年では花粉の量が増加傾向にあること、生活習慣の変化があることなどが考えられます。また、元々アレルギー体質のお子さまは花粉症を発症するリスクが高い傾向があります。
子どもの花粉症は何科を受診する?
花粉症の場合、大人の方は症状に応じて内科、耳鼻科、眼科など診察科を受診するのが一般的です。
お子さまに症状がみられる場合は、長く診てもらえる小児科へかかるのがベストでしょう。
当院では、小児・アレルギー科の専門医・指導医が在籍していますので、専門的な対処・治療を行うことが可能です。どうぞ安心してご相談ください。
子どもの花粉症の症状
鼻づまり
お子さまの花粉症によくみられる症状です。鼻づまりで夜中に何度も目を覚ましたり、鼻づまりが原因で口呼吸が多くなることがあるので注意が必要です。
粘っこい鼻水
大人のサラサラした鼻水とは違って、粘りのある鼻水がでることがあります。このような症状も鼻づまりが原因と考えられています。
目のかゆみ・充血・むくみ
かゆみが出て、目の周りをこすったり押したりすることがあります。その他にも、目の充血やむくみなどの症状も多くみられます。
花粉症の症状は、頑張れば我慢できる症状であることが多いです。しかし、運動や勉強などこどものパフォーマンスに著しい影響を及ぼす病気です。こどもがやりたい事をしっかり出来るためにも、十分に症状をコントロールしてあげることが非常に重要です。
子どもの花粉症と風邪との見分け方
風邪と症状が似ていますが、目や鼻にかゆみがあるかどうかも見分ける際のポイントになります。
また、風邪薬を飲み続けても、症状が改善しない場合も花粉症の可能性があります。
晴れの日や風が強い日は花粉が舞う量が多いため、症状が悪化していないか観察する必要があります。
採血によるアレルギー検査
当院では採血によるアレルギー検査も行っています。検査によりアレルギーの有無に関わる非特異的IgE抗体と特異的IgE抗体を調べることができます。IgE抗体は、アレルギーの原因となる物質が体内に入ってくると細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出させます。この化学物質によって、体にさまざまなアレルギー症状が現われるのです。採血によるアレルギー検査では、体内のIgE抗体の総量がわかる非特異的IgE抗体とその中でもどの種類のアレルゲン反応があるかを知ることが出来る特異的IgE抗体に関する値を知ることが出来るため、より適切な治療方法を見つけることができます。
皮膚検査(プリックテスト)
皮膚にアレルゲン液を垂らし、細い針で押すプリックテストも行っています。負担が少なく、15分で結果が判明するので、当日結果がわかることが利点です。
自然治癒する?花粉症の治し方
花粉症は食物アレルギーなどと違い、成長とともに自然治癒するということは期待できません。症状が出る前に薬を上手に服用したり、マスクの着用や吸引や吸入などを利用して症状が悪化しないような対策をしましょう。スギ花粉症なら、より根治的治療である免疫療法を行うことを強く推奨します。
マスクの着用と吸引・吸入
マスクを着用して花粉に気をつけたり、こまめに吸引や吸入をすることで鼻の粘膜の状態を良くしておくことも大切です。
抗アレルギー薬
抗アレルギー薬は、赤ちゃんから飲むことができるシロップ、ドライシロップやチュアブルタイプもあります。初期治療が重要なため、抗アレルギー薬を上手に利用して症状が悪化しないようにします。
舌下免疫療法
ダニやスギといったアレルギー物質の錠剤を舌の裏に含む治療です。自宅で1日1錠を口に含むだけなので、痛みや負担の無い治療法です。その他の薬の治療と異なり、体質を変えることを目的とするのでより根本的な治療といえます。
皮下免疫療法
アレルゲン免疫療法には比較的新しい治療である舌下免疫療法の他に昔から行われていた治療である皮下免疫療法があります。これは少しずつアレルゲンの入った薬を予防接種のように注射で体内に取り入れて慣れさせることで、アレルギー反応が起こりにくい体質にする効果が期待できます。少量から増やしていく増量期は週1回程度の通院が必要ですが、維持期では月1回の通院でよいことが利点です。効果は舌下免疫療法と同等であり、こちらを選択される患者様もおられます。詳しくは当院スタッフにお問い合わせください。
子どもの花粉症対策
花粉症の症状が続くと集中力が低下したり、睡眠や勉強などの妨げにもなります。お子さま自身で対策することが難しいため、普段から保護者が体調の変化を見逃さずにサポートすることが大切です。お子さまの症状を軽減するために、次のような対策をしてあげましょう。
室内の湿度を高めて保湿
乾燥により、鼻や目の粘膜や皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚にも炎症が出たり、花粉による症状が悪化することがあります。室内の湿度を高めて保湿を心がけましょう。
保湿クリーム・ワセリンを塗る
皮膚に傷が出来るとそこに花粉がくっつき炎症が出ることがあります。保湿クリームやワセリンなどをこまめに塗りましょう。
マスク、花粉対策メガネを使用する
外に出れば花粉への暴露を減らすために、マスクや花粉対策メガネを使用しましょう。